芸術家 KOYO NAKAMURA 特集(仮)
전체6건「いのちのかけらを繋ぐ」
若き芸術家、KOYO NAKAMURA。
彼の作品は、見る者の心を静かに、そして深く揺さぶる。
廃棄されるはずだった皮革に新たな息吹を与え、そこから生まれるアートは、生と死、そして人間の存在そのものへの深い問いかけを私たちに投げかける。
三重県に生まれ、幼い頃から「いのち」について考え続けてきたKOYO NAKAMURA。2023年、大切な後輩を事故で失ったことを機に、彼はレザーブランド『sonor』と出会い、廃棄される大量の革を目の当たりにする。そこに刻まれた傷やシワは、かつて生きていた動物たちの証。人間の都合で捨てられていく革に、彼は人間の社会、そして自身の経験を重ね合わせる。
「人間も、皮革産業の元となる動物たちも、その傷やシワは、かけがえのないいのちの軌跡だ」
KOYO NAKAMURAは、そう語る。大学でテキスタイルを専攻する彼は、皮革を「いのちの痕跡」として捉え、そこに光を当てることで、新たな価値を生み出そうとしている。
彼の作品は、単なる素材の再利用ではない。そこには、生と死を見つめ、人間の存在意義を問い続ける、KOYO NAKAMURAの哲学が込められている。
過去の展示会
これらの展示会で、彼は作品を通し、来場者、視聴者に「生とは、死とは何か」を問いかけ、感情を共有してきた。
そして、彼の活動はアート作品のみにとどまらない。
「皮革とは食用肉の副産物であり、使わなければ捨てられていくもの。そして捨てるとなれば、それは環境破壊など、さらなる悪循環の原因となるでしょう。」
KOYO NAKAMURAは、廃棄される革を使用したプロダクトの制作も行っている。そこには、彼の作品と同様に、傷やムラを「生き物が一生懸命に生きていた証」「それぞれの個性」として捉え、その魅力を最大限に引き出すデザインが施されている。
「アートへの馴染みが他国に比べ、比較的劣勢にあるこの国で、アートのみで訴えかけていくのは現実的ではないように思います。」
彼は、アートに興味がない人にも作品を届けたいと考えている。日常的な用途のあるプロダクトにアートの要素を取り入れることで、アートへの関心の入り口を作り、皮革という素材を通して「いのち」について考える場を提供しようとしている。
「私の作品を通して、自分自身や、周りのいのちについて、改めて見つめ直す時間を持ってほしい」
KOYO NAKAMURAは、そう語る。彼の作品は、私たちに静かなる問いかけを促し、それぞれの内にある「いのち」への想いを呼び覚ます。
今後の活動について彼は、「これからも、いのちのかけらを繋ぎ、作品を通して、多くの人と『いのち』について語り合いたい」と語る。彼の作品は、これからも多くの人々の心に響き、新たな気づきを与え続けるだろう。
KOYO NAKAMURA。彼の作品は、私たちに問いかける。「あなたは、どう生きますか?」と